目次
はじめに
唐突ですが、産休・育休を取得し、業務復帰するということを社内で初めて経験しました。その体験談を記録も兼ねて紹介します。
個々の状況にもよるので、あくまでも1事例として見てもらえたらなと思います。
記事を書いた経緯
私は、数年前に中途入社しました。
面接時、今すぐではないが将来的に子どもが欲しいと思っていたため、産休育休の取得実績について質問したところ「実績はないが、対応するつもりである。最初に取得する人と相談しながら仕組みを作ることになると思う」と回答を受けました。
互いの両親は、仕事をしていたり遠方に住んでいたりでサポートは薄い状態です。
現在2回目の産休取得を控えていて、休業前に!と思い、ブログを書いています。
制度について
自身の経験を記す前に、法律の制度的なところに軽く触れておきます。
それぞれで手続きを行う必要があります。
産休(産前・産後休業)
・産前休業:出産予定日の 6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から取得可能。
※本人が希望すれば働き続けることもできます
・産後休業:出産の翌日から 8週間。
※産後8週間は原則として就業不可であるが、本人の希望があり医師が認めた場合は産後6週間以降に復帰することも可能。
育休(育児休業)
原則として、子が1歳になるまで取得可能。
※特別な事情がある場合、最長で子が2歳になるまで延長が可能。
育休延長が認められる主なケース:
・保育所に入所できない(待機児童)
・育児をする予定の配偶者が病気・死亡・離婚などで育児が困難になった
延長できる期間:
原則:子が1歳まで
条件を満たせば:1歳6か月まで延長可能
さらに入所できないなどで:最長2歳まで延長可能
休業中の給料について
期間中の労働実績はないため、会社からの給与支給は原則ありません。
条件はいくつかありますが、産休中は健康保険から「出産手当金」が、育休中は雇用保険から「育児休業給付金」が支給されます。
これまでの振り返り
休業前
まず、業務に関してですが、作業者として案件に携わることしかなかったこともあり、特別な引継ぎ作業はありませんでした。休業に入るタイミングに合わせて時間的に少し余裕のある状態で作業が終わるものに調整してくれたので最後まで落ち着いて従事できました。
休業取得から復帰したケースがなかったこともあり、数回社長との面談の場がありました。
そこでは、
- 体調(つわり等)で業務に支障があるようなことはないか
- いつからいつまで休む予定か
- 何か不安なことはないか
などのヒアリングがありました。
手続きについては、事務担当者が産前・産後のタイミングごとに必要な手続きをレクチャーしてくれました。
また、法制度と会社の規則とを照らし合わせて、どのような選択肢を取れるか提示してくれたので、手続きに悩むことなく望むように進められたと思います。
その他、休業中に無効となる有休もぜひ消化してくださいと言ってもらえたので遠慮なく休むことができたり、会社のアカウントにログインしないように(休業中に業務に関することはしないように)と釘を刺されたり、体調に気遣いながら出産や育児に専念できる土壌を整えていただけました。
そして、復帰予定のタイミングについては保育園に入れるタイミングによるものだったので、
- 給付金の兼ね合いもあるので1歳を迎えるタイミングで申請すること
- 役所に相談したところ、とはいえ年度途中は入りづらいこと
- 入れなかった場合毎月選考があること
- 認可外保育園も検討すること
- 遅くとも新年度を迎える4月には入れると思われること
を、伝えました。
休業中
会社とのやり取りはほとんどありません。
基本的には前述のとおり用意してもらった書式やフローに従って申請するのみでしたが、復帰予定の3か月前には社長との面談が必要です。
内容は、以下のとおり状況のヒアリングです。
- 保育園の申請状況
- 心身ともに問題ないか(職場復帰可能か)
- 両親・行政サービス等のサポートはありそうか
- 復帰後はフルタイムにするか時短にするか
- 復帰予定日に変更があるか
上記のヒアリング内容から諸々の状況を考慮して、復帰後にどのような案件を担当するか考えるとのことでした。
- 時短の方が無理なく働けるとは思ったが、フルタイムを希望
- 年度途中の入園はやはり難しそうなので、初回の選考で入れなかった場合は可能性が高い4月に復帰したい
- 認可保育園選考の優先順位付けに育休の復帰加点があるので、今後のことを考えて認可外保育園に入れて復帰する選択肢はなくしたい
と伝えました。
いずれの希望も快く受け入れていただき、事務の担当者もスムーズに追加の手続きを教えてくれました。
復帰後
1年以上現場を離れていたので、業務について抜けていることも多かったですが、作業をしていく中で思い出せるものが多かったです。休業前同様、参画する案件を調整していただけました。
育児との両立という点では、生活リズムを掴むのに苦戦し、また、体調をとにかくよく崩しましたが家族や子どもの体調不良による急な早退や有休取得があっても快く受け入れてくれました。
ほぼフルリモート・フレックスのおかげで、通勤時間をなくし、保育園の時間帯に合わせて働く時間を確保できるので、復帰直後から現在までフルタイムで勤務できています。同様の理由で、有休が尽きて欠勤が発生し、給料が減るということもなかったです。
ただ、育児がある以上残業等で稼働時間を増やすことができず、同じチームになった人に一部引き受けてもらったことがあって申し訳ない気持ちになったことはありました。
全体を通して
休業前から復帰を通して、各々思うところはあるかもしれないとは思いつつ、批判的な態度を感じることはありませんでした。ただただこちらが申し訳ないと思うばかりで、逆にあたたかい声かけをもらうことが多かったです。体調面等、相談すれば実際に調整してもらえて助かりました(もちろん育児中でなくても体調が悪ければ休めます)。
他の会社の実態は知りませんが、批判的な空気との精神的に戦う必要はなく、妊娠前とは全く別の業務ばかりするようなこともなく、次々に作業が割り振られて辞めたくなるようなこともありません。今、本当に穏やかな気持ちで従事できているなと感じます。
さいごに
今回の私のケースでは、妊娠中もつわりなど業務に支障がなく、復帰後も行政サービスを利用できたり、状況的に恵まれていた点があるとは思いますが、育児をするとき、仕事をしていても仕事をしていなくても大変なことには変わりないかなというのが正直なところです。
ですが、この会社は本当に対応してくれるだろうかという心配はまったく不要で、むしろ思っていた以上に働きやすくて驚いたくらいです。
社会復帰の選択肢は様々ですが、私自身としては、この会社だからこそフルタイムでの復帰・勤務継続が実現できていると思っています。